カエデ総無垢、ニカワで作ったスピーカーボックス

1952年(昭和27年)に世に出、神格化された異端の名作Goodmans AXION80という24センチフルレンジスピーカーユニットを一台に4つも取り付けたお化けスピーカーを8ヶ月かけて製作。ニカワで接着しただけのスピーカー。

これがどれほど難しい仕事であるか。わかる人にしかわからないのでありました!

サイズは、W742.2mm×D465mm×H1520mm

こんな仕事を引き受けた私は真の大馬鹿者です。

スピーカーをニカワで作る

750×465×1520というどでかいスピーカーをニカワで作ってくれるところを25年間探していた。作ってくれないか。

この言葉にいい気になって受けた自分がバカだった。

すでにここまでで、見積った時間の3倍もかかっています。
ここまで来ると意地とプライドだけ。

スピーカーも楽器だ!だから、釘やビスは一切使わず、接着もニカワで作ることが絶対条件。しかも、全て楓の無垢材。収縮を考えると非常に不安。だから、接着をしては数週間単位で養生しながらの製作となっています。

いつになったら終わるでしょう。

和風食堂うめ野さま お部屋紹介 その2

昨日ご紹介した10人席コーナーの手前は、通路を挟んで二つのコーナーがあります。

実はここの場所は、すべて土足厳禁です。フローリングの風合いがとても良かったので急きょその様になりました。ちなみにフローリング材種はチェスナット、日本で言う栗の木です。チェスナットを荒く挽き多少の逆目や波打は無視して廉価に仕上げたものです。この波打の脚触りが意外に良く土禁でいこうとなりました。

さて、通路を挟んで窓際には、欅の一枚板を3連並べたカウンターになっています。
2メートルの長さに対しペアでゆっくりと食事を楽しむことが出来ます。ガスコンセントも完備しているので気軽に鍋もOKです。

一方通路北側は4人席の簡易的に仕切ったブースが3つあります。ゆったりくつろげる空間を白樺のシルエットと間接照明とで演出してみました。

既存の空調設備を利用する関係で完全に仕切ることが難しく、どう自然な感じで表現するかがポイントでした。

目線を遮り、かつ、空調機能を満足させる高さを1650とし、この高さ以上の空間を空気が流通するスペースとして確保すると同時に、何らかの設えで空間を和ませたいと知恵を絞ったのが白樺シルエットでした。和風とは異なるかもしれませんが、松やうめのシルエットはちょっとお洒落じゃないなと感じあえての決断でした。

白樺シルエットは、厚さ12mmのMDFをレーザーで切り抜く作業を行いました。モチーフは、日光戦場ヶ原の白樺林です。ここぞというシチュエーションをカメラに摂り画像をなぞってシルエットにしレーザーで出力しました。画像を製作している傍らで鳥やリスなどの動物のシルエットも仲間に入れ子供達にも楽しんでいただけたらと一手間加えました。
それらを粒子の粗い塗料で粉っぽい塗装をして完成です。

反対のラブカウンターと通路を仕切るパーティションにも同じシルエットで遮りました。できるだけ空気をまわしたいのと、外からの見えも意識し天井と床をワイヤーで吊って空中に浮いているような演出をしました。また、足下に照明を埋込リズムを作ったのですが、効果のメンではイマイチかも(;O;)

4人ブースに使用した材はタモの柾目です。斜めに貼り分けリズムを出しました。背もたれの高さを1350mmと少々高めにし座ったときの顔がせもたれよりも上に来ることで椅子の存在感を出しました。

テーブルは、もちろん欅です。反対側の欅の兄弟です。ここにもガスを設備し気軽に鍋ができるようになっています。

それぞれの雰囲気の違うコーナーで、思い思いにおくつろぎ下さい。

その時どうする

欅のテーブルを作っているところです。3メートル×1.2メートルの大きさです。厚みは53mm程度でしょうか。

三枚の板を剥ぐところです。表面を削ったところから早くも変形が始まります。

微妙なずれや狂いをとりながら一枚の板に仕上げていきます。

少し割れが入っています。こんな時には、契りを入れてそれ以上の割れを防ぎます。

無垢材を扱うときはトラブルがつきものです。

相田みつをの言葉。

『その時どうする』私たちはいつもこの言葉を突き付けられているのでした!

作りかけいろいろ

今回は、作りかけのいろいろをご紹介します。

アール型のキッチン
外からアールに見えても、内側は、引出など機能させなければならないので60センチをモデュールにして7つの箱を合体させて作っています。その構造がわかる写真です。

アイランドキッチン製作風景03

長火鉢
長火鉢に使用する材は欅です。それ以外の材で製作されている長火鉢は見たことがありません。ここで使用している材は、厚さ18mmのもので内側で使用している材は桐です。

枠組の引き戸
後ろに見える建具を改造するための部品として使用します。

仕上がると下のようになります。

 

置き去りの素材

悲しいかな、置き去りにされた素材。

彼らは欅(ケヤキ)のブロックです。加工すると下のような杢目が出てきます。綺麗でしょ!

とってもすばらしい杢目だけど時代は彼らを必要としません。
どうにか命を吹き込みたいのですが・・・・、自分の無能を嘆くばかりです。

でも、日本人で家具を扱い者達にとっては、木材の王様として君臨しています。
特に私(あと2年で還暦(^0^))よりも上の世代にとっては、神様級なのでした。

このキャビネットの相棒が下のデスクです。

写真が下手で天板がひかってしまい、すばらしい杢目を伝えられませんが、とってもすばらしい杢目なんですよ。

それでもって、これを私が使っているのでありました。良すぎて手放せませんでした。
事務所に来て頂ければご覧に入れることが出来ます。

興味のある方は是非遊びに来て下さいね♥

25年間待ち続けた期待に応えられるだろうか

杢理の綺麗な楓です。

全て厚みが50mmの板材。依頼のものを制作するには、この板材を真っ二つにして20mmにする必要があります。
でも、ネジレやら反りやらでもすこし薄くなることを覚悟する必要がありそうです。

25年、これを作ってくれる業者を探し続けていたそうな。

挽き直しをするには、あまりに薄い材。製材期の爪に引っかからないので、爪掛け用の部材をボンドで仮止めして挽き直しを行いました。こんなノウハウを持っている木工所も今では少なくなってしまったとのこと。

さぁ〜て、挽き直しが終わればまた、少し乾燥期間にあてる。
本当は、使用する部屋に運び込み、その部屋の環境に馴染ませたいのだが、お願いしても、それはかないませんでした。

これが何になるか、今はまだ言えません。

たかだか箱を作るだけなのに、こんなに緊張したことはないのでした。

果たして、25年間待ち続けた期待に応えられるだろうか。